Vol.36 Printing Share on Facebook Share on Twitter

いよいよDX推進局がスタート。
大広は何にトランスフォームしていくのか。
DX推進局 石塚 賀彦

広告業界全体が大きな転換期を迎え、旧来の戦い方が通用しにくくなり、広告会社にとってビジネスモデルの変革は急務となっている。顧客価値を追求する企業の大広では、DXの中でも注目度の高いAIを中心にした全社横断のプロジェクト「AI TOMONI」を立ち上げ、活動。日本初のダイレクトマーケット領域の「AIカオスマップ2021」を発表した。同プロジェクトも、今年度から新たに誕生したDX推進局も成長活動ファンド発。その起案者の一人である石塚氏は広告会社には珍しい薬学部出身。入社の動機、AIプロジェクトについて、そして、DX推進局で今後取り組んでいくことなどを話してもらった。

顧客価値経営本部 DX推進局 石塚 賀彦

— 薬学部から大広へ。周囲の方が歩む進路とは全く違ったのでは?

石塚:製薬会社や研究機関、病院薬剤師などの道を選ぶ人が大半でした。僕も医療関係の仕事はしたいと思っていたのですが、人とは違うキャリアパスで医療に関わるのもおもしろいのではと漠然と思っていたところ、OB訪問で広告業界に興味を持ちました。大広は製薬会社のアカウントも多く、会社としてのルーツのひとつが大阪・道修町の薬問屋だということも、僕には興味深かった。就活の時から大広のあたたかい社風は伝わっていました。入社は2009年。東京・大阪で営業/プロデュース職として製薬、食品、大学、インフラ企業など多種多様なクライアントを担当し、2020年4月から東京のビジネスインキュベーション局(BI局)へ。そしてこの4月に誕生したDX 推進局が本務となり、BI局は兼務になりました。

— AIプロジェクトを起案し、活動されましたが、AIに関心を持たれたきっかけは?

石塚:うちの執行役員のつながりで、2018年に日本ディープラーニング協会理事の岡田隆太朗さんの勉強会に参加したことがきっかけです。その勉強会は世界デジタルサミット2018から日本の未来を考察するのがテーマで、その時に「日本は課題先進国である」というお話があって。少子高齢化で労働人口が減少し、結果として日本のGDPが下がる。働き方改革なども叫ばれているが、それを解決していくのはやっぱりテクノロジーなんだ、と。IoT、クラウドなどいろいろなキーワードが出てきて社会実装がどんどん進んでいくが、その中でもAIが中心になっていきますという内容だったんです。

— そこで、これからの時代は広告会社にもAIの知見が必要だと。

石塚:そうですね。得意先に貢献するため、パートナーとしてビジネスをやっていくためには、AIなどのテクノロジー全般は理解していた方がいいと思いました。そこでまずAI領域の知見を高めることを主眼に2019年度の成長活動ファンドで「ディープラーニングOSAKA」を起案しました。ちなみにディープラーニングはAIの要素技術の1つで、大量のデータからコンピュータが自律的に学習し認識力を向上させるもので、自動運転の鍵を握る技術でもあります。

— 広告会社とAI。どうもイメージが結びつきにくいのですが。

石塚:大広だけでなく競合他社も力を入れていますし、以前よりは広告会社とAIの距離感も縮まっていると感じます。この5年、10年スパンではAIはあくまでも手段です。様々な情報が入り混じる中、課題をみつけること、問いを立てることは人しかできない部分。広告会社も得意先のいろんな部門と対話しながら、課題をみつけて主戦場としているコミュニケーション領域や広告業界各社も注力しはじめたコンサルが主戦場としてる戦略やデータといった領域でもビジネスをしていくことになるのではないでしょうか。
成長活動ファンドとして1年間活動し、活動を拡大させるため、「AI活用ビジネス推進プロジェクト(対外的には、DAIKO AIプロジェクト「AI TOMONI」としてリリースしています)」として、2020年6月1日付でプロジェクト化しました。 プロジェクトとしては、“最先端のAIに関するノウハウ収集”と“企画・実装を実現する社内外のネットワーク構築”に取り組んできました。社内のAIリテラシー向上のため、東京・大阪で勉強会を行いましたが、各々100人以上の参加があり、大変うれしかったです。

— 勉強会に参加した社員の反応はいかがでしたか。

石塚:「AIやDXはバズワード。 そこに興味を持って何かしらの学びを得たい」と好感触でした。業界TOPクラスのAIベンチャーで、戦略から実装まで一気通貫でサポートできるエクサウィザーズ社と一緒に、エクサウィザーズのクレデンシャルとAI勉強会をワンセットにして実施しました。「概念は理解できたが、広告会社として、どう提案して、あとはどう獲得していくかですね」という声が多く寄せられたので、当時の東阪の計画局とプロデュース局の皆様にご協力いただき、クライアント向けにエクサウィザーズのクレデンや場合により具体的な提案を行いました。受注に向けて動いている案件が複数あります。

— ダイレクトマーケティング領域の「AIカオスマップ2021」もリリースされました。

石塚: AI・DX領域で大広がビジネス化する際のドアノックツールとして、また、大広のレピュレーション向上の打ち手のひとつとして、カオスマップ制作をプロジェクトの計画に組み込んでいました。信頼ある媒体社と組んでリリースしたかったのでカオスマップでは国内有数の実績があるAINOWさんとぜひ協業を、と思ったのですが、会社としてお付き合いがない。そこで大広社員の個人的なコネクションをたどって、AINOWの運営会社であるディップさんにつないでもらって、最終的にはAINOWの編集長を紹介いただきました。これもデジタルプロデュースチームの壬生くんのおかげだと感謝しています。

— ダイレクトマーケティングは大広の強みの領域ですね。

石塚:AI とダイレクトマーケティングは親和性が高いと思います。顧客価値を上げていくためにAIで一部自動化し、人は人しかできないことをやっていく。人的リソースには限界がありますから。だけど、ダイレクトマーケティング領域のAIプレイヤーを俯瞰できるカオスマップがこれまでなかったんです。大広とAINOW側で手分けし、171社のダイレクトマーケティング領域でソリューションを提供するAI プレイヤーをリサーチし、潜在顧客、既存顧客など、顧客ステージごとに整理。特定の領域に強いサービスの把握や分野ごとに競合を一覧できるカオスマップです。(AINOW編集長の小澤さん有難うございました!)
初めての挑戦で想像以上に大変でしたが、協業先を見つけ、ノウハウも蓄積できたので、今後もリリースできればと思います。といいながら、「AI TOMONI」はプロジェクトとしては、発展的解散、活動は新設される基盤構築・データドリブンチームに統合・移管されました。僕自身もDX推進局に異動したので、AIカオスマップ2022の制作については引き継いだ方にお願いすることになるのですが。


— さて、その DX推進局ですが。ついに始動しましたね。

石塚: DX推進局も成長活動ファンド発です。社内でAI勉強会をした時に「ビジネスとしてAI・DX領域を得意先に提案していくためには、まず自社をAI・DX-readyにしていく必要があるのでは?」と感じたのがきっかけです。大広自ら最新のテクノロジーを取り入れることで提案にも説得力が増しますし、AIやテック領域でさらにチャンスメイクできるはず。そう思い大広のDX推進を起案し、採用され2020年9月から活動を開始。2021年1月からプロジェクト化し、この4月から局になりました。

— DX。大広はデジタルで何にトランスフォームしていくんですか。

石塚:デジタルトランスフォーメーション。DXの定義は文脈によっても変わりますし、色々と誤解して捉えている人も多い。経産省のDX推進ガイドラインでは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義されています。ココで大事なのは、DXではデジタルは手段で、目的は変革の推進です。じゃあ、大広は何に変革、トランスフォームしていくのか。大広が掲げる顧客価値経営を体現し、ブランドアクティベーションを推進する打ち手のひとつであるD2Cビジネスへのトランスフォームを進めていきます。

— これからどのようにして進めるんですか?

石塚:トランスフォームを推進していくにあたって、必要な分科会を立ち上げ、DX推進局と分科会メンバーを中心に、全社員の皆様のご協力を頂きながら検討・実行を進める予定で、全社員の皆様向けのDX推進局の説明会も予定しています。いろいろな方々の協力なくしては、トランスフォームは完遂出来ないと思っています。ぜひお力添えください。

— DX推進局での抱負をお願いします。

石塚:大広のDXを完遂する。今はそれに尽きます。ディープラーニングに始まり、AI 、そしてDXと成長活動ファンドに応募し、挑戦してきました。僕は大広という会社で働いている人が好きなんです。だから何か少しでも貢献できればという想いで起案してきました。ひとつのテーマに取り組むと次々に課題がみえてきて、今やるべきは自社のDX推進だと思い至りました。
これまで我々は広告会社の領域の中で戦ってきましたが、これからはビジネスモデルが劇的に変わって、戦う土俵が変わってくる。誰もやったことが無い領域で戦う時だからこそ、経営課題をかみ砕き、細分化して、具体的アクションを起こせる粒度にしていくことが大切だと思っています。経営陣と現場の橋渡し。それもDX推進局の役割だと認識しています。局員一同で誠心誠意、DXの推進に取り組んでいきますので、ご支援、ご協力よろしくお願いします。

— 大広のDX完遂。その先の夢は何かありますか。

石塚:将来はヘルスケアや医療の領域でビジネスを立ち上げたいです。これはずっと変わらない夢。社内ベンチャー等、どんなかたちかはまだわかりませんが。インターネットの普及、ビッグデータの活用、5G環境の整備などの条件も揃い、本格的にAIが定着するのではといわれています。行政や医療の分野でもAI・DX導入が進んでいます。将来は遠隔医療も当たり前のことになって、その呼び方すらなくなるかもしれないですね。僕がヘルスケア・医療系で起業したいのは、自分自身が健康であることを望まない人はいない、誰に対しても喜ばれる仕事で、携わっている人も信念を持っている人が比較的多い。みんなに喜ばれる仕事を、気持ちのいい人たちとやっていきたいです。

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