Vol.20 Printing Share on Facebook Share on Twitter

面接ではなく対話を。
採用から、大広はまた進化する。(後編)

今、社員の提言から始まったプロジェクトが、会社全体を変えようとしている。大広は新卒の採用活動を大幅に刷新する。昨年、人事局もまじえつつ現場の社員が中心となった採用プロジェクトチームを発足。そこに東京だけでなく大阪からも社員が参加し、「CAMP」というコンセプトを設定。焚き火を囲むように社員が学生一人ひとりと心から向き合うことをめざす。このように採用を変えることで、大広はどう進化していくのか?東京と大阪の「採用改革プロジェクト」チームのメンバーに詳しい話を聞いた。〈前編はこちら

東京第2BAP本部第1P局 西岡岳 / 人事局 齊藤穂高 / 東京第1BAP本部第1P局 香月彩那
東京第1BAP本部第1P局 中村将 / 大阪顧客育成局 岡嶋瞳 / 事業開発局 坂本宗隆
人事局 髙山翼

—どのような顧客=学生と関係をつくることを、イメージされていますか?

西岡:僕らには、採用においては、同じ業界の上位企業を競合にするのはやめようという大方針があります。業界ジャイアントじゃないけど個性のある企業を理想的な新しい採用競合にしようという議論をしています。でも、これは本当にまだゆるい仮説だと思っていて、たぶん今後も継続して話しますし、来年ももう一回そこから考えなきゃなというぐらい大切なところだなとは思っています。

—そうやって採用を考えることは、大広を考えることにつながる発見があったと伺いました。

坂本:そうですね。学生を顧客と捉えて採用をもっと真剣に考えようという活動は、自分たちはどういう人と働きたいとか、そもそも大広ってどうありたいの?とかも考えることにつながっていってると思います。今回のプロジェクトだけではなく、一昨年ぐらい前から現場の若手社員が面接を担当してるんですけど、そこで学生に触れ合うと、「なんでこの会社で働いてるんですか?」って、素朴に聞かれることがあります。その問いって実はちゃんと考え出すと、「そっか、なんでだっけ?」って自分に深く落とし込める。採用活動を手伝ってくれた社員とも話をすると、そういう声が結構上がってくるんですね。学生というか社外の人たちに「自分たちと一緒に働きませんか?」って言うことが、自分たちの強みとかこれまでやってきたことを振り返ることにもなる。
だから、さっきのブランドアクティベーションという話につながるのかもしれないですけど、採用活動は大広というブランドをどう捉え直して、どう良くしていくか?につながるなっていうのが、発見でした。みんなのいろんな意見の中にも、そういう発見があるかなと思いました。

中村:僕は、「会社が求めてる人材ってなんだろう?」という問いをもっとブラッシュアップしていくと、「今、自分が現場で働いてるチームにどんな人材が要るか?」というところまで考えつくと思っています。その現場が欲しい人材の集合体を、うまくまとめなきゃいけない。そうなってくると、この採用プロジェクトに入ることで、マネジメント能力が付くなと思っています。要は、チーム体制って今こういう状況だから、こんな人材が欲しい、そのためにはこんな動きをしなくてはいけないというのを、すごい考えないといけない。それを全社ごとにして関われることで、個人の能力にもプラスになるなと思います。

中村将

香月:私は去年の採用に現場で関わり、一次面接とかさせて頂きました。そのときのテーマが「大広を好きになってくれる人を採ろう」みたいなことだったのですが、正直「好きって何?」と思いました。そんな好きになってもらう努力とか、情報発信もしてないのに好きになってくれる人を採ろうと言っても、目の前の学生さんが大広を好きになってくれるかなんて分からない。面接の場で学生さんは「大広さんはいい人ばっかりで好きです」って言ってくれるんですけど、なんか、その好きがすごい薄いなと思って。だから、じゃあ、私の大広の好きってなんだろうって考えて、好きが具体的に言えるような会社になったらいいなと思いました。

香月彩那

坂本:あと、大阪のメンバーでも話してたことがあるんですけど、広告会社って自分たちから意思決定することが少ない職業だなって思いました。採用活動に関わることで、これまでの人事の人たちってすごい大変だったんだなって気づきました。

—どのあたりが大変だと思いました?

坂本:僕らからすると、アイデアはいろいろ思い付くんですよね。得意先に対して、こういうのをやるべきじゃないか、ああいうのをやりましょう、みたいなことってどんどん出てくる。でも、それを意思決定するときには、自分たちって何を決めるべきか、どう決めるべきかといういろんな基準を考え直さないといけない。お金や時間が限られていたりする中で、これは捨ててもいいんじゃないか、これはやるべきなんじゃないかという一個一個を決めるのは、精神的負荷がかかる。その意思決定が、自分たちのブランドを外に出していく行為だからこそすごく大変だし、いつもとは違う楽しさを僕らは感じられているんじゃないかなと思いました。

岡嶋:私も坂本さんが言ったことに似ているのですが、採用プロジェクトはクライアントの立場に立てる貴重な活動やと思います。それが経験できてるのはいいなと思うのと、確かに大変さもすごく分かってくる。自分がいる組織のブランディングをすることは、一番シビアに仲間に見られる。今、仲間を巻き込んでいくことをやっていて、それって今までやってきた広告の仕事とは全然違うレベルでもあるので、いろんなことを鍛えられてるなって思います。

齊藤:そうですね。エンドユーザーである顧客(学生)から、直接自分たちへ反応が返ってくるのは、会社の中でも稀有な仕事なのかなとは思います。その反応がもろに来るので精神的にも大変ですが、すごくやりがいになっています。

—この採用活動は大広を変えるだけでなく、活動に関わる社員個人も変えていく印象を受けます。

岡嶋:私はこれまで、こんなにがっつり東京と実務でプロジェクトすることはなかったんですね。そうすると大阪と東京は同じ会社なのに雰囲気がだいぶ違うことに気づく。得意先が違うし、地域性など理由は幾つもあると思うんですけど、でも名古屋なども含めて、採用活動では同じ価値を顧客=学生に伝えるわけで、それって全員でやること。同じ目標があると巻き込みやすいし、社員同士がよく知り合うチャンスとなって、さらに仲良くしやすいなと思いました。私も育休明けで会社に戻ってきて、この採用プロジェクトに入ったんですけど、こんなに仲良く一瞬でなれたのが良かったなと。

西岡:やっぱり採用という、大広をめぐる一つのテーマがあると、みんなが同じ方向を向くなっていうのはありましたね。あと、採用プロジェクトは仲間を見つける活動になるなと今回思いました。ここに課題意識を持ってくれる、くれないで、社員も割とぱっきり分かれるので。もちろん、採用活動を面倒くさいと思う人をこの活動に無理やり巻き込む必要はないのですが、今回やってみて、こんなにも社内に自分から協力してくれる人がいるんだっていう出会いは、僕はすごくありがたかったです。話すと「なんでも協力したいです」と言ってくれる。僕はこの活動を通じてその仲間が見つかったことが、一番の財産だなと思ってますね。

中村:若干違う意見になっちゃいますが、採用プロジェクトは今後ずっと続いていくものだと思うので、採用に興味関心がない人でも一回はやっといたほうがいいなと僕は感じています。会社に不満があったとしても、現状の問題を自分ごと化して動いたらちゃんと変わるんだという、ある種の成功体験を、このプロジェクトはしやすいんだろうなと思って。だから採用に関心ない人もメンバーに入れながらやっていくと、より良い会社になるんじゃないかなと思っています。

坂本:大広のこういう採用活動とか、いろんなことをやっていったときの良さを表しているCAMPという言葉は、「すごく大広の社風を言い表せてるよね」という意見もある反面、「それだけで止まっていいのか?」という意見も出たりしています。でも、このプロジェクトメンバーで「CAMPがいいね」ってなっている中の一つの要素として、CAMPがこれからの進化とか変化を含んでいることもあります。大広っていう規模感がちょうどいいというか、自虐にも聞こえるかもしれないんですが、大きくない会社だからこそ変革しやすい。
このCAMPという言葉が持ってる風通しの良さって、チームワークの未来像につながっていく気がしていて。これからの広告会社の強くなって行く方向として、個人の力はもちろん大事だけど、一人だけではなくてチームになったときの関係性の力というのはすごく大事な時代になるんじゃないかなと思っています。そういうことに、この採用活動がこのままつながっていくんだろうなと。だから、採用プロジェクトは現業と別物のように見えるかもしれませんが、逆に採用活動を通じて現業に強くなるんじゃないかなと思います。普段の広告会社としての仕事の中でも、自分たちの強みが非常に強くなっていけるように、この採用プロジェクトができるんじゃないかな。

という風に、西岡さんが言ってました。

西岡:言ってねえわ(笑)

〈おわり〉

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