Vol.9 2019.03.29

世界の旬を、ぐるりと体感。
大広発のメディア「MILANO360°」

2018年、大広はメディアサイト「MILANO360°」を立ち上げた。毎年イタリアで開催される「ミラノデザインウィーク」に出展する企業ブースを、360°写真を使った記事で紹介。開催前から期間中にかけて、日本を始めとする世界のさまざまな企業に取材し、発信する。今年も4月のミラノデザインウィークに向けて、大広の若手社員を中心とした8名のチームが準備を進める。そのうちの3名に話を聞いた。

「ミラノデザインウィーク」は、「ミラノサローネ国際家具見本市」と「フォーリサローネ(サローネの外の意)」の総称。

阿久津渡・神谷悠介・難波寛明
左から、アクティベーションセンター 阿久津 渡 / 神谷 悠介 / 難波 寛明

—昨年から、大広ではMILANO360°プロジェクトが始まりました。なぜ、これを立ち上げることになったのですか?

難波:当初の目的は、国際的な展示会における知見やノウハウを蓄積して、日本の企業のサポートをすることでした。今は国内市場ではなく海外で勝負を賭けたり、グローバルの中で自社のブランドを育ててゆくことを、企業が避けては通れなくなりつつある時代。すでにうまく活用している企業もありますが、日本からの出展はまだ少ない。でも、アジアの国もどんどんやってきているので、日本の企業もそういう勝負の仕方、知られていくアプローチは必要になると思いました。

神谷:確かに僕も昨年ミラノデザインウィークに行った際、思ったよりも日本企業の出展が少ない印象がありました。ミラノサローネの開催期間中に、別団体がデザインというカテゴリーでいろんな企業を集めて自主出展するフォーリサローネというのもあるんですね。サロン会場が市街地にも広がって、ミラノの街全体がデザインとアートの祭りになる。その中でも日本企業は、やっぱり数としては少ない。でも、出している企業さんは賞を獲ったり、自分たちの技術やデザインをしっかり出している印象はすごく強かったです。

—昨年、出展された日本企業では、どんな技術やデザインが見られましたか?

神谷:サンワカンパニーさんという会社は、得意とするコンパクトキッチンを様々なライフスタイルと空間に合わせた提案をして、賞を獲られていました。世界的に都市部への人口流入が進んでおり、都市部では住居空間の狭小化が進んでいます。それに適応したキッチンのニーズが高まっているにも関わらず、いまだにデザインを考慮した小さなキッチンはほとんどないというところに目をつけられたみたいです。
あと、その他の日本企業では、自社の技術を使って「こういう空間を私たちはつくります」という空間演出をメインにされているところもありました。今までってどちらかというと、家具はデザインやそのものの良さがフォーカスされてたと思うんですけど、主流が物づくりから空間デザイン向けに動いてきているなというのも、現地に行って感じましたね。

—そういう意味では、さらに360°写真が活きてきますね。

神谷:そうなんですよ。そのあたりも360°はコンテンツとしてすごくマッチしてる印象はありました。

—大広が最初に360°写真に注目したのは、いつですか?

難波:2011年に得意先の仕事で、ミラノデザインウィークでのPR担当をさせてもらいました。ミラノサローネ国際家具見本市は毎年、照明とキッチンを隔年でテーマにして開催しています。2011年は照明で、得意先は照明を中心にしたインスタレーションを企画し、家一棟を借り切って展示をしてました。そのときのPRサイト制作と、そこに来るための動線となるいろんな展示の360°写真が集まったサイトを同時に立ち上げました。そのあたりからですかね。

難波 寛明

—こちらは、大広が自主的に運営するメディアサイトとのことですが、なぜメディアという形を取られたのですか?

難波:僕が初めて行った2011年当時も、日本ではまだまだミラノデザインウィークが広く知られていませんでした。だから、得意先のブースのPRをしても、本当に興味のある人しか来てくれない。そうであれば、家具のもう一個外側、デザインに興味がある人となるとぐっと幅が広がるので、得意先以外のブースも全部撮影して、その中に得意先が入っている感じでPRを仕掛けるということが最初のきっかけでした。

—企業にとっては、ミラノデザインウィークへの出展にどんなメリットがあると思われますか?

難波:一つは、世界中からハイエンド層の方たちが「デザインと技術」を求めて集まるので、たとえば同業界の国際展示会のように競合がバーッと集まっているところよりは、少し軸をずらしてハイエンド層にリーチできること。そうすると、必然的にマーケットへの働きかけもグローバル視点でできるのがメリットです。
もう一つは、世界で通じる文脈をノンバーバルで体感できること。その場で生まれている新しい次の流行みたいなものもあるので、そういうのをいかに早く取り入れ、織り交ぜて見せていくかが、今、世界で戦う企業の大きな課題になっているんじゃないかと思います。そういうところを僕らはMILANO360°の中で、率先してご提示もできるかなと。

—やはり現地に行かなければわからない空気感が、あったりするのでしょうか?

難波:そうですね。たとえばファッションで言うと、ヨーロッパの消費者の見る目が、これまではデザインとか表向きのものだけだったんですけど、今はその企業がどういう雇用体系かとか、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した企業活動をしているかを重視するようになってきています。安く仕切って高く売るのではなく、職人に対して適正な技術料を払う。原価は高くなるけど、本当にセンスのある人はそういうブランドを選んでいくという気運が生まれている。それを雑誌などで知ることもできるんですけど、やっぱり実際に現地に行って触れると、よりリアルに感じられるので、人にもリアルに伝えていくことができます。

—ちなみに去年のMILANO360°では、どんなコンテンツが一番見られましたか?

神谷:日本企業のものは、取材も事前にアポイント取って、いろいろご説明を受けたりしてわかりやすく載せれらたこともあり、アクセス数はやっぱり多かったですね。そういった記事以外は、現地で広告屋ではなくメディアとして取材させていただく形で、サロンの本会場やミラノ市街で展示されているいろんなプロダクトの企業やデザイナーにその場で交渉して取材し、その日に撮ったものは大体その日中にサイトにアップするという、リアルタイムなコンテンツ作りをしていました。

神谷悠介

—現地でMILANO360°を見る方は、これを見ながら「次、ここ行こう」という感じでも使われているんですよね?

神谷:そういう狙いももちろんあります。地図を載せたり、GPS機能を使って紹介場所にピンポイントを立てたりして、そういう使い方もする想定はしていました。

難波:あと、僕らは別途、得意先に報告書をまとめてお渡ししているんですね。出展のために現地にいらっしゃる得意先の中には、べったり展示についていて外が回れなかった方も多いので、そういう方に「報告書を持って行きます」と連絡すると、ご説明に伺う前にサイトでいろいろ見てくださったりもしていたようです。意外と企業さん内でも「他の展示はどうだったか?」みたいな感じで使われていたのかなと想像しています。

—もうすぐ今年のミラノデザインウィークが始まります。今年の抱負を教えてください。

阿久津:そもそも僕たちは、世の中に見せるアウトプットしか作ってないように思われてるんですけど、その裏側の背景で物づくりのきっかけに行き着くための文脈、コンテキストも大事かなと思っています。デザインウィークの中で紹介・展示されているものには、一流の人たちがつくるストーリーがあって、そういったもので新しい価値をつくっていくんだよ、ということを日本の国内でもいろんな人に見てもらいたい想いがあります。そして興味を持ったときに、ぜひともうちに連絡をくれて、じゃあ僕たちとそういった一流のいい物づくりをしていこうみたいな、そういったきっかけをつくりたいです。

神谷:僕はまずはサイトに人が来てもらうことを目的にしたいと思います。SNSとの連携を強化し、サイトへの来訪をどう促すか、来てもらった人に何をどう使ってもらうか。使ってもらう人の視点でしっかり考えて、サイト来訪者を増やしていけたらいいなと。そして、メディアとしてもっと立てられたらいいなとは思いますね。

難波:僕は二つあって、阿久津くんや神谷くんのような次を担う世代がそこに行くだけじゃなくて、実際にサイトを運営する実務の中で、取材を通して得た知識を新しい武器にして、既存の得意先、未来の得意先に働き掛けて提供していけるようなスキルアップをしてもらいたいのが一つ。あとは僕自身も会社の中で比較的長くやらさせてもらっているので、率先して新しい誘致をつくっていくのが、一つのゴールかなと思っています。

阿久津渡
Printing
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