OUR WORKS プロジェクト

FUNclusion

DE&Iを「正しさ」から「楽しさ」へ!
FUNから自然にひらかれる世界へ。
「FUNclusion Week」

以下画像 あたたかなライトの下で、アートが描かれた壁を背景に、木のテーブルを挟んで座る男女二人。向かって左手には、白い服に透明なフレームに灰色のレンズ付きのサングラスをかけたディアムヘアに髭をたくわえた男性、村上が木のテーブルの上で両手を組みこちらを見つめている。向かって右手には、水色のワンピースで木のテーブルに頬杖をついて微笑みながらこちらを見つめる女性、根上が座っている。画像終わり

社内で行われたDE&I研修への疑問を
きっかけにはじまった、
DE&Iを「正しさ」ではなく、
「楽しさ」を起点に社会に広げていく挑戦。
挑戦の根幹となる「FUNclusion(ファンクルージョン)」
という考え方は、どのように生まれたのか。
また、その考え方を体現した
「FUNclusion Week」というイベントでは、
どのような企画を行ったのか。
企画に込めた想いや、50社以上への自主提案、
イベント当日に生まれた自然なコミュニケーションに
ついて語ってもらいました。

INTERVIEW MEMBERS

村上 耀

村上 耀

2019年入社

コピーライター

根上 小夏

根上 小夏

2023年入社

プランナー

以下画像 インタビュアーの質問に笑顔で答える根上。画像終わり

CHAPTER01

「FUN」から拡げるDE&I

まずはお二人の取り組みについて教えてください。

根上 小夏
根上さん

活動のはじまりは、大広社内で行われたDE&I研修などで感じた疑問から、DE&I(※1)をより自然に社会へ広げる方法を研究できないか、という声が上がったことでした。その結果、DE&Iが、社内の研究テーマの1つとなり、グループ会社である株式会社SIGNINGとともに、関心のあるメンバーが集まったプロジェクトが生まれました。
その際、共同研究として入ってくださったのが、障害のイメージの変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニーである、ヘラルボニーさんでした。
ヘラルボニーさんともたくさんの議論を重ね、24年には研究結果をまとめた『FUNclusion Report』をリリースしました。(※2)

(※1)DE&I: Diversity, Equity & Inclusion(多様性・公平性・包摂性)の略

(※2) 企業における多様性を広げる新しいアプローチ!「FUNclusion Report」公開

「FUN」が真ん中にあることで、自然と身体が動き、異なる人同士でも、「楽しい」という気持ちを共有できる。「FUN」という言葉の意味は、「ただ楽しければいい」ということではなく、「楽しさ」を入り口にすると、前向きで、失敗やまちがいもOKな場が生まれる。その結果、楽しい記憶が残り、「また関わりたい」という気持ちが湧き上がるという考え方です。
この考えは、聴覚に障害のある店主の方とスタッフの方が運営するラーメン屋さんでは、声で感謝を伝えられない代わりに、ナプキンの裏に「ありがとう」と書いたり、見よう見まねの手話で「ありがとう」と伝えたりする、独自のコミュニケーションを見たことがきっかけです。

村上 耀
村上さん
根上 小夏
根上さん

そうした気づきから、障害の有無よりも前に、共通の「楽しい」「楽しいからもっと伝えたい」そうした気持ちがあるのではないか、とチームで議論していました。
そういった議論を経て、DE&Iを加速させるには、FUNから始めることが大切なのではないかと考え、「FUNclusion」というコンセプトワードが生まれました。

そして2025年からは、より生活者に直接届く形で伝えていきたい。そうした想いから、12月の1週目にある障害者週間に合わせて、下北沢のBONUS TRUCKを中心とした下北線路街にて「FUNclusion Week」というイベントを開催しました。
もともと「FUNclusion」は、DE&I(多様性・公平性・包摂性)を“楽しさ”から広げていくために生まれた考え方であり、その考え方を生活者に体験してもらう場として開催されたのが「FUNclusion Week」でした。

村上 耀
村上さん
以下画像 真剣なまなざしで語る村上。 画像終わり

CHAPTER02

イベントで見えた
「FUN」が持つ確かな力

イベント当日のお話について、詳しく教えてください。

村上 耀
村上さん

FUNclusion Week で実施した企画の1つに「しずかでうるさい洋食屋さん」というものがありました。
聴覚に障害があるクリエイターの皆さんと企画した、声(音声言語)や指差し、手話などを使わずに注文する洋食屋さんで、メニューには3種類のスープを用意しました。スープの形状は3種類とも同じなので、その違いをどう伝えるかが肝になります。そのため、来場者同士がオリジナルのジェスチャーでやり取りし、伝わったり伝わらなかったりする中で自然な笑いが生まれていました。

イベントでは他にも、「見えないお花屋-ブラインド・フラワーショップ-」という企画も実施しました。視覚に障害があるクリエイターの方と一緒に、目隠しをして香りや触覚を頼りにお花を選ぶ体験を通じて、普段は「見た目」で選ぶお花と、いつもと違う出会い方をしていただきたいという想いを込めた企画でした。
体験いただいた方とお話する中でも、障害に関する言葉はほとんど出てこず、「視覚以外の感覚でお花を選ぶこと自体が新鮮で、楽しい」と仰ってくださったことが印象に残っています。

根上 小夏
根上さん
村上 耀
村上さん

イベント全体を通じて、障害のある方と会話するぞ、関わるぞ、というような構えがなく、お互いに、ただ初対面の人に話しかけるような感覚でコミュニケーションが成立していく様子に感動しました。
身構えてしまうとどうしても、「こうしなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」という思いが出てきてしまいます。でも、そうしたものがない空間をつくれたことで、まさに私たちが考えたFUNclusionが作用することを証明できたようにも感じました。

以下画像 丸いテーブルの前で、隣に座る村上を笑顔で見つめる根上と、うなずいているような様子の村上。 画像終わり

CHAPTER03

顧客価値を体現した
50社以上への自主提案

その空間をつくる上で、実際に苦労したことや、それをどのように乗り越えたかを教えてください。

村上 耀
村上さん

プロジェクト内のメンバーで企画を考え、50社以上の企業に自主提案したことが印象に残っています。
DE&Iの領域は企業の中で取り組むこと自体は当たり前になりつつある一方で、「DE&Iの領域」として捉えられている限り、一気に世の中の潮流を変えていくことは難しいと思っています。
だからこそ、“社会的な活動の一環”としてではなく、どうすれば企業活動を通じてDE&Iに貢献できるのかを考え、50社以上に自主プレゼンをしていきました。
得意先のビジネス的な成長を軸にしながら、社会全体もよりよくするアイデアを考えることができたので、まさに大広が大切にしている顧客価値を体現できた取り組みだったと思います。

イベントの運営にも苦労しました。
イベント自体が初開催で、取り組みとしても新しかったので、安全に実施する方法を、半年間ずっと模索していました。
ただ毎回の打ち合わせで、企画を出して終わりではなく、共創してくださったたくさんの方の想いで企画がどんどん進化していきました。そうした議論を重ね、漠然とではありますが、「すごく良いものができている」という気持ちが強くなっていきました。

根上 小夏
根上さん
村上 耀
村上さん

打ち合わせは毎回白熱していましたね!
障害のある方の感覚をどれほど想像しても、自分の経験だけでは捉えきれないことも多く、企画づくりは考え直しの連続でした。
実際の打ち合わせでも、障害のあるクリエイターの方に企画を伝えたとき、自分では想像もしなかった視点をいただけたり、「感覚が分からないので教えてほしい!」とクリエイターの方から教えてもらったりと、感覚の違いに驚きながらも、その過程すらも楽しみながら、みんなでちょっとずつ進んでいきました。

以下画像 インタビューに答える二人を、テーブル越し斜め下から撮影。手振りも使いながら、笑顔を浮かべながら話す村上。村上の右横で、笑みを浮かべながら前方を見つめる根上。 画像終わり

CHAPTER04

今後つくりたい未来

最後に今回の企画をきっかけに、今後どのような未来をつくっていきたいか、心の中にある熱を教えてください。

村上 耀
村上さん

今回の仕事は、通常のクライアントワークとは違い、自主企画という形でした。だからこそ、DE&Iに対する僕自身の感覚や想いをまっすぐ言葉にするチャンスでした。
企画の中で、自分の想いをコピーとしてチームに出して、みんなに「いいね!」と言ってもらい、それを世の中に出すことで、さらに「いいね!」と言ってくれる人が増えていく。想いを言葉にすることで、世の中の風向きをちょっとだけ変えられる、そんな経験をすることができました。
それを踏まえて、たとえ目の前の人が、障害がある人であったとしても、「障害のある人」としてではなく、ごく自然に「あなた」として向き合える。特別な配慮や不要な先入観を、軽やかに飛び越えていけるような未来を、自分の言葉を起点につくっていけたら嬉しいです。

たくさんの方との出会いと、FUNclusion Week当日の空気感から、「みんなが楽しく生きられる世界」をつくることができたら嬉しいな、という気持ちがより一層強くなりました。
私の考えですが、すべての企業はソーシャルグッド(※3)のために存在しているのではないかと思っています。
社会にたくさんの困りごとがある中で、お客様の幸せのために日々想いを巡らせているたくさんの企業の皆さんがいらっしゃることを強く実感しました。
だからこそ、「みんなが楽しく生きられる世界」をつくるために何ができるのか、企業と社会の困りごとを掛け合わせながら、わくわくする気持ちを大切にこれからも考えていきたいです。そんなふうに、大広の一社員として社会を1つずつ変えるお手伝いができたら、こんなに幸せなことはないなと思っています。

(※3)ソーシャルグッド:世界に対してポジティブなインパクトを与える活動・サービス・製品などの総称

根上 小夏
根上さん

ありがとうございました!

※インタビューは2026年4月時点の内容です。