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大広フェムテック・フェムケアラボ 大広フェムテック・フェムケアラボ

大広フェムテック・フェムケアラボ

大広フェムテック・
フェムケアラボ

始まりは、自身の経験から。女性だけではない”みんなの”健康のために広告会社の新領域を開拓中!

一見女性だけのものと思われがちなこの領域について、男女の垣根を超え、メンバーそれぞれが自身の体験した「不」をきっかけに集まり、プロジェクトになりました。広告会社がどのように「フェムテック・フェムケア」の領域に向き合っているのかに迫ります。

──フェムテック・フェムケアとは具体的にどのようなものなのかお聞かせください。

平野:フェムテック(Femtech)はFemale + technology、フェムケア(Femcare)はFeminine + careのことで、女性はライフイベントやホルモンバランスの影響で定期的に様々な「ゆらぎ」を感じており、そこから生まれる「不」に着目した領域のことを指します。狭義では「女性特有の健康課題を解決するテクノロジーやプロダクト」ですが、広義では「女性のヘルスケア」や「女性が生きやすい社会の創造」があります。私たちの活動は、広義の視点で捉え女性を顧客/社員に抱えるあらゆる企業を支援できるように活動しています。

──昨年度成長活動ファンド(※)で起案され、2021年度から正式に社内でプロジェクト化されたと伺っています。現在の活動内容を教えてください。
※社員自らが起案しその成長を支援する社内制度。

大谷:まずはフェムテックについて勉強するところから始まりました。やっていくうちに徐々に得意先からも相談が来るようになって、これは大広としてちゃんと向き合えばビジネスチャンスになるぞと思い、正式にプロジェクトになりました。取り組みとしては大きく2つあって、1つはしっかりと情報収集してこのカテゴリーのことをよく知り、相談が来たら答えられるようになるインプットのところ。もう1つは得意先に価値を提供し、コンサルティングができるようなアウトプットをするところ。この2つの能力をつけようとプロジェクトを進めています。

──広告会社としてどのようにフェムテック事業に関わり、得意先をサポートしているのでしょうか?

今北:活動内容として、「知る」「伝える」「実装する」の3つの領域を軸に活動を展開しています。

平野:広告会社が取り組むとなると、フェムテックというバズワードを使って、華やかに商品を見せようとしたり、不安感を煽って商品を買わせようとしたり、といったことを想起されやすいと思うんですが、そういう心ないマーケティングをしてもビジネスとしては続かないので、もう少し事業視点で考えるようにしています。

柴田:事業視点の分かりやすいところで言うと、フェムテックの業界はスタートアップ企業がサービスを持っていることが多く、そういう企業と大広の得意先企業とで一緒に何かできないか?というコラボの事業を提案しています。

大谷:この領域で一番大事なことってサステナブル(=持続可能)なことなんですよね。1回やって終わりではなくて、みんながずっと健康で、体の負担が減って楽に生きることがすごく大事。そういう気持ちを持っているスタートアップ企業さんと一緒にやりたいし、そういう気持ちに得意先を変えていくっていうのも我々がやらなければいけないところだと思っています。

──そもそもこのプロジェクトを立ち上げたきっかけや、どのように集まったメンバーなのかお聞かせください。

平野:コロナ禍でコミュニケーションが希薄になっていることを解消するため、社内で若手の情報交換を目的としたグループチャットのようなものがありました。そこで「フェムテックやりたいなって思ってるんだけど、やりたい人いますか?」と投げかけたら、大谷さんが「はい!」と言ってくれて、初めは私と大谷さんの2人で「成長活動ファンド」に応募しました。

──始まりは平野さんと大谷さんの起案からだったんですね。

平野:私自身は、前職の時に激務から婦人科に通った経験があり、大谷さんはパートナーの方が体調を崩されたことがありました。自身で体験している側とそばにいて支える側、両方のバランスが揃っているともっと広がりのある活動ができるんじゃないかと思いました。その他もみんなそれぞれの原体験や課題感があるメンバーで始まったのがこのプロジェクトです。

──プロジェクトを進める上で難しかったことや苦労したことはありますか?

大谷:すごく極端な言い方をすると「子どもができないあなたへ」ということはやってはいけないけれども、いわゆるデジタル広告のような発想だとそうなりがち。こういう考え方を変えていきたいし、理解をしてくれる人が得意先にも広告業界の中にもちょっとずつ増えてはいるけど、なかなか難しいところだなと思います。

柴田:表現が難しいですね。個人的な「不」を作ろうとすると、ちょっと角が立つというか。全く同じ状況にある人は誰一人としていないので、誰も傷つけずに誰かのインサイトをつくのは難しいです。

今北:得意先もフェムテックに踏み込むのを不安視していることが多いです。その背中を押してあげるのも私達の仕事かなと思っています。得意先の温度感もあるので、そのあたりは苦労しますね。

柴田:フェムテックやったら炎上するんじゃないか、みたいな…

平野:過度に緊張してしまうことも多いんですよね。フェムテックってデリケートなものに違いないと思ってしまっている。自分たちのサービスや製品の市場価値、顧客価値に対して適切にアプローチすればきちんとお客様にも届くっていうところを得意先に理解してもらうことがなかなか難しいです。

──活動する上で大事にされていることはありますか?

磯部:相手のことだけど自分たちのこと、他社のことだけど自社のことでもあるということを念頭に置いて活動しています。

平野:自分たちの悩みはお客様の悩みと一緒だと思ってビジネスをやると、そこが突破口になることもあるし、事業成長やお客様とのコミュニケーションにも生きてくるので、そこを一番大事にしていますね。大広社内に関してもそういう発想でアプローチを心がけています。

大谷:我々に原体験があって始まってるというのが意外と大事だったりするかな。スタートアップ企業も自分が困っていたことを解決するために事業を作るってことがすごく多い領域なので、自分の悩みは誰かの悩みと同じかもしれないという目線を持つことを大事にしてます。

平野:そうですよね。このプロジェクトとスタートアップ企業との違いは、みんな原体験を持っているけれど、例えば男性が混ざってたりとか年齢が違ったりとか、何か一つの原体験ではないところ。互いに話すことで客観性にも繋がっているおかげで、スタートアップ企業の方と話をしたときもお互いに違うアングルで情報交換もできます。

──フェムテック領域というと「女性のもの」というイメージが持たれがちだと思いますが、男性メンバーのみなさんはどのように参加しているのでしょうか?

磯部:僕は営業職なので得意先へ話すときに、フェムテックという盛り上がってる市場のことを自分の引き出しとして語れることが大事だなと思っています。なのでチームとしてはパーパス(=課題解決)が強いと思うんですけど、僕はちょっと違ってビジネス視点の方が強いです。世の中の半分はフェムテックのコミュニケーションターゲットになる方々(女性)なので、その領域での知見や語れる言葉があることが自分にとって意味のあることだなと思っています。語るだけではなくて実際にアクションするところまでをプロデュースする役割として何かチームに貢献できたらと思ってます。

大谷:女性の健康って考えれば女性だけかもしれないけど、健康経営とかウェルビーイングって考えたら、男性も知っておかなきゃいけないよねとなるから、別に男性が排除されるカテゴリーではないと思います。あと、今後フェムテックの流れはフェムにとどまらず、ヘルステック全体に広がっていくものになるはずです。それは「病気を治そう」ということではなく、「ずっといい状態が続く」とか「悪くならないようにキープする」ということ。男性も他人事ではないと思います。

平野:自分の体をモニタリングして、自分の体に対する今までにない選択肢を増やしていこうという動きは、今後女性の領域だけではなくて、お年寄りの領域でもあると思うし、子供や男性の領域でもあるし、別に性別や年齢は関係ないかなと思います。

──今後プロジェクトとしてどのような取り組みをしていきたいですか?

平野:今後は、世の中に価値を提供したいと思っている会社同士を繋いでいくこと、それからそういったビジネスが起こりやすくなるようなサポートをしていきたいなと思っています。そのためには大広社内でも、ヘルスケアってもっと柔軟にやっていけるものだという認識を広げていきたいですし、そうすればアイデアももっと広がり、それこそ女性領域だけではないところにも行くのかなと思います。あとはそうですね、実際にプロダクトも作ってみたいです。

大谷:実際に自分たちが作ったものに対してお声をもらって改良するというプロセスをやってみたいと思っています。特に、フェムテックの「テック」はアップデートし続けるっていう意味で使われることも多いので、何かそういったお声を自分たちがダイレクトにもらう機会があるといいなって思うので、ぜひプロダクトは作りたいですね。

平野:この活動を通じて、私たちはすごくパートナー企業に恵まれたなと思っています。これだけは本当に間違いないです。また、この活動を通して、私たちの得意先企業のみなさんもとても真摯にお客様に向き合っているんだなということも改めて知ることができました。なので今後も様々なことに挑戦していきたいです。

──最後に、就活生のみなさんに向けて一言ずつメッセージをお願いします。

柴田:自分が常日頃感じている不満や「これどうにかならないのかな?」と思ったこと、それをそのまま解決するサービスを作れたり、仕事に繋がったりするので、是非自分が普段感じていることをよく見ていてほしいなと思います。

今北:フェムテックは今市場が広がってはいるものの、まだまだ知られてない領域。でも知ったらすごく便利だとか楽になったということがあるので、大広/大広WEDOに入ってこられた皆さんにもちゃんと知ってほしいし、興味を持ってほしい。それで一緒に活動を広げていけたら嬉しいです。

平野:学生のときって、親世代の価値観と自分たちの柔軟さの間にいると思うので、もっと世の中こうなったらいいなという気持ちをぜひ大切にしてください。今ある違和感や課題感が、いつか良い形でビジネスになるかもしれない。なので、気づく練習みたいなことをやりながら、就職活動や学生生活を送ると一生楽しいんじゃないのかなって思います。

大谷:今まで話したことは多分、従来の広告会社のイメージとちょっと違うと思うんですよね。過去何回かTABLE DIALOGUEを担当したことあるんですけど、「得意先の課題解決のために~」みたいなことを言う学生さんが多いなと感じました。意外と「自分が抱える課題の解決」を広告会社でできるんだぞっていうのは、何かちょっと新しい発見な気がしています。そんなことまで手を広げられる広告会社っていいですよ。

磯部:自分の「不」に対して自覚的になるだとか、他人の「不」に対して配慮ができるようになる世界は、遅かれ早かれ必ず来る未来だと思ってます。我々がフェムテック領域におけるソリューションを得意先に提供していくことで、ちょっとでもそんな未来がやってくるスピードが速くなればよいな、と思って日々活動しています。そんな志に共感してくれる仲間を増やしながら、どんどん活動の輪を拡げていけたらと思いますので、もしご興味もって頂けたら一度お気軽にお声がけください!