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大阪ガス「プリント管理アプリ『プリゼロ』プロジェクト」 大阪ガス「プリント管理アプリ『プリゼロ』プロジェクト」

大阪ガス
「プリント管理アプリ『プリゼロ』プロジェクト」

大阪ガス
「プリント管理アプリ
『プリゼロ』プロジェクト」

顧客との対話をベースに事業を構築。 顧客価値を磨き続けるアプリプロジェクトへの挑戦

大阪ガス株式会社の新たな挑戦となるアプリ事業「プリゼロ」。
そんな「プリゼロ」が大事にする「顧客との対話」がどういうものなのか、そしてプロジェクトメンバーがどのように考えながら事業運営のサポートをしているかを、競合プレゼンの獲得から実施までの経緯を紐解きながら迫っていきます。

──まず、プリゼロのプロジェクトの経緯からお聞かせください。

上垣内:大阪ガス担当者の藤田さんという方が本件のプロジェクトリーダーでして… その方と僕がほかのお仕事でも結構ご一緒していて、いろんな経験を共にすることで生まれた、信頼関係がキッカケですね。まだプリゼロが形のない状態で、本当に思い付きの構想段階から「こんなことを考えているんですけど、どうですかね」という相談を頂いて、何度か意見交換をさせてもらってたんです。話してるうちに、実際に、大阪ガス様の取り組みとして進められていくことが決まり、ほかの広告会社との競合プレゼンになりました。

──大広としては、勝ちたいプレゼンだったとは思いますが、どのような大広の勝ち筋で、どのように提案をしたのか、教えてください。

上垣内:お題はアプリサービスで、デジタル広告を使った集客でいかに新規顧客を獲得できるかという話だったので、競合もやっぱりその手に強い会社が揃いました。5社の競合の中で、デジタル広告の集客効率にはもちろん答えつつ、このサービス自体の位置付けが重要だと思って企画を練りプレゼンに臨みました。プリント管理って本当に大変で、プリゼロはそれを便利に管理できるツールなんですけど、その機能性に寄っている価値を、もうちょっと情緒的なところで付加しようと顧客価値を再定義しました。

石川:ウチの息子が小学生だった頃に感じたのは、やっぱり小学校のプリント管理って大変で、提出物が遅れたり、運動会のプログラムが手元になかったり、「どうすんねん!」みたいなことが本当に多々あって。かと言って、親が全部管理していたら子供が育っていかないというのもあるし…プリント管理を通して親も育っていくし、子供も育っていく。共同作業で、一緒に成長していく過程が大事なんじゃないかって話をしましたね。

──それって親視点ならではのお話だなと思ったんですけど、岡嶋さんも上垣内さんも、かなりサービスの顧客に近いところで議論を始めていたんですね。

上垣内:課題も含めて実感があったほうが強いんじゃないかということは結構意識しました。親としての実感からくる顧客価値というのが勝ち筋の1つで、もう1つは、事業の継続・利用拡大の視点から、サービスのファンづくり・対話型マーケティングという点かな。

岡嶋:そうですね。もともと、社内で対話型マーケティングの勉強会を開いたときに、「これを実務でやりたい」みたいなことを言っていたのがキッカケですね。実際、対話型マーケティングって難しくて、できるかなとか思ってたけど、実際やってみたら藤田さんがすごく共感してくれて… 最近では、藤田さん以外に得意先の他プロジェクトメンバーもファンやユーザーを大事にしていて、例えばSNSのコメント対応から、姿勢を逆に学ばせてもらうくらいです(笑)
新しいサービスってもちろん最初はファンがいなくて、どうやってファンをつくっていくかを考えたときに、「社内から始めればいいのでは?」という大きい発見があって。グループ会社様を含む全社へお声がけしたら、幸いにもパパ・ママ社員さん約150名に協力していただいた経緯もあります!一緒にサービス開発会議をしたり、インサイトを見つけるためのインタビューをさせてもらったりして、アプリ開発を進めました。
「サービスについてのいいところを聞き出す会」(通称:対話会)を開催し、インフルエンサーさんとかもそこに来てくれて、一緒に作っていきましたね。

石川:インタビューで聞いていくと、みんないろんなプリント管理の悲劇を体験していて面白かった(笑)。みんなのエピソードが、もうまさにクリエイティブの1個1個につながっていくという。同じように悩んでいるパパ・ママたちと対話して、このアプリによってその悩みをどう解消して、みたいなことを会話するのがクリエイティブ開発していくにあたってめちゃめちゃ大事なプロセスだったと思う。

──意見とトコトン向き合うところからスタートするっていうのが、すごく大広らしいお仕事ですね。

──では、皆さんそれぞれのチームでの役割・どんなことをチームの中でやっているっていうのを教えてください。

上垣内:僕は、大広側のプロジェクトリーダーとして、このプロジェクトの全体を見ています。プリゼロは、短期で終わるものじゃないので、中期的にどういうサービスになっていったらいいかも考えながら、そのためには何から準備していくか、ちょっと先も意識しながら全体を動かしています。あとはもう1個意識しているのが、この案件で自分にもスキルを身に付けたいなと思っているので、アプリのUI・UXの部分には、どんどん顔突っ込んでいって、できることを増やしたいと思ってますね。

岡嶋:私は、ファンやユーザーの中でもロイヤルティの高い方とどうコミュニケーションするかをプランニングするプランナーです。対話会、インタビュー会を開くだけじゃなくて、そこで得た物がどうブランドから染み出していくかを設計しています。「そもそもファンって誰なの?」「どうやって集めるの?」みたいな部分の設計をしていますね。ファンを中心にブランドをプランニングしてるっていう感じですね。

石川:私はクリエイティブとして、バナーやテキストを作るのがメインですね。ユーザーと向き合って見えた発見をどういう風に伝えていくか、クリエイティブで設計しています。デジタル広告なので効率を良くすることも重要で、顧客や数字から見えてくるものを照らし合わせて、どういうブランドで、どういうストーリーが良いかを考えてます。

中原:僕はアプリのことをたくさんの人に知ってもらうために、広告を使って人を連れて来るためのデジタル広告のプランニングと、その運用の全体ディレクションを担当しています。PDCA管理を行い、得意先との報告会含め協議を通してより良い状態に持っていくことを目指しています。
僕の守備範囲でいうと、本当はメディアの運用というところだけなんですけど、クリエイティブにも積極的に口出しをします。やっぱりメディアの経験というか、デジタル広告の知見がある僕が見たときに分かる部分もきっとあるだろうと思っていて。そこはちょっとでもいいものを出せるようにするために心掛けています。役割を超えて意見したり議論したりできることが、このチームや大広のいいところでもあると思いますね。

川原:僕はプロデューサーとして、上垣内さんと一緒にプロジェクトの全体を見ながら、スケジュール管理とコストマネジメントをベースに担当しています。中原さんのようにいろんなところに口出しもしてます(笑)例えばクリエイティブをつくるとなったときに、僕も参加してアイデア出したりします。プロデューサーの守備範囲外のところもやっていくっていうのは、これからの自分のためにも必要になると思ってます。

──川原さんはプロデューサーとして、アイデア出し自体までやることについて、わりと楽しんでいるんですか?

川原:そうですね。もともと営業とかプロデューサーだけをしたくて大広に入ったわけではなくて、いろんなことをやりたいなという風に思っていました。コピーライターとかにも興味があったので、すごく満足しながらやってます。

──では、クライアントと大広チームとの関係性みたいなところをもうちょっと聞きたいなと思ってたんですけど、その辺りはどうですか。

上垣内:もちろん、クライアントと広告会社の関係ではあるけれど、結構フラットな関係性でやらせてもらってます。
本音で対話することが大事だと思っていて、「本当にこの事業のためを思って」とか、「プリゼロらしさってここだから、こうしたほうがいいですよ」っていうところは、嘘をつかずに得意先にも伝えていますね。だからこそ、提案を採用してもらう確率も高く、そういう積み重ねの対話ができているのはやっぱりフラットな関係性かなと思うよね。

岡嶋:この前印象的だなと思ったのが、藤田さんが「会社のメンバーより、大広さんのこのチームと会ってますね。」みたいなことをおっしゃってくださって。私たちと得意先の垣根を超えたプロジェクトのワンチーム感みたいなのがありますね。

──あとはチームメンバーも結構若手が多いということですよね。

川原:そうですね。大広チームだいたい10人ぐらいいるんですけど、そのうち半分ぐらいが20代の社員で、しっかりその若手にも役割が与えられていて、それぞれが責任を持って業務を進行してる印象があります。そういう意味では、若いチームですね。一方で、パパ・ママ社員も多いので、いいバランスの取れたチームなのかなという風には思います。

──では、プリゼロのプロジェクトで今後どんなことに挑戦していきたいですか?

上垣内:プリゼロはだんだん利用者が増えてきて、今は全国にユーザーがいるという状況です。なので、今後に向けては、プリント管理の延長線上で、いかにプリゼロらしい顧客体験を作り、ユーザーに喜んでもらうかというところに挑戦したいですね。
あとは、特に子育て情報って地域性が出たりするので、情報共有したいというニーズもありそうなので、ちょっとコミュニティ化していくような要素も作っていきたいです。現在、大阪府豊中市さんと一緒に組んでるように、行政の協力なども必要になるかと思いますがそういった取り組みを増やしていきたいなと思っています。

──最後に、就活生のみなさんに向けて一言ずつメッセージをお願いします。

中原:今の広告会社の仕事ってすごく変わってきてるし、いわゆる広告の仕事から領域を広げているっていうのが今のスタイルだと思ってます。このプロジェクトの特徴的なところでもあるけど、いろんなことに挑戦できるチャンスがこの会社にはあるのかなという風に思います。なので、ぜひぜひ(笑)。

岡嶋:いろんなことができるからこそ、一番大事な「なんのためにそれがやりたいか」っていうところを考え続けたほうがいいかなと思っていて。職種とか、もしかすると広告会社に入るってこともそうで、すっごく難しいけど、自分が社会人になる意味とか、働く意味ってところをしっかり考えるっていうのが大事かなと思います。がんばってください!

上垣内:このプロジェクトがまさにそうだと思うんですけど、メンバーがプロジェクトに愛着持ってて、いろんな厳しいこともあるけど、楽しみながらやれているから結果が付いてくるイメージがある。逆に言うと、義務的にやらされてる感でやるとなかなか結果も出ないし、楽しくもない。なので、主体的に楽しく仕事したいと思っている人には、特におススメの環境ですね。

石川:大広/大広WEDOって、やっぱり“すごく人がいい”ってよく言うと思うんですけど、同じような人が集まってるんじゃなくて、すごい明るくて元気な人とか、なんか大人しい人とか、オタクな人とか、本当にいろんなキャラがいっぱいいて。だからこそ、みんながそれぞれの思いで意見を出し合える、そういう空気がすごく強い会社だと思う。そんな会社のチームでありたいっていうふうに思えるのが、大広/大広WEDOの本来の良さかなと。自分がこの会社に合うかな、とかじゃなくって、やりたいことがここにあるのであれば、ぜひ一緒にお仕事したいなって思います。

川原:このプリゼロの案件の勝ち筋となったところが、大広の強みとする顧客価値というところでした。その顧客価値のヒントとなったのが、広告会社のプロとしての意見というよりは、大広メンバーのパパ・ママとしての意見。そう考えると、今回はパパ・ママだったけれども、例えば若い20代の人の意見が必要とされる案件もきっとあって、そういう意味では入ったらすぐ即戦力、すぐ活躍できるんじゃないかなと思います。
あとは、広告会社としてこれまでの広告会社の枠を超えていくという話がありましたが、プリゼロのようなアプリ事業のプロジェクトや社会課題の解決などにも携わっていけるので、広い視野でいろんなことができるのが広告会社のいいところかなと思います。就活大変だと思いますが、前向きに頑張ってください。