【最適マンション広告を探る】 「~マンション購入希望者クラスター分析&広告表現コンジョイント分析~」
弊社では、Webによる分譲マンションの広告表現と購入予定者の思考の調査・分析を行った。その結果、ほとんどの属性で「商品特性<専用部分>」の広告が1位を占めた。また、コンジョイント分析の結果、分譲マンション広告要素の最適な組み合わせとして
1. 建物外観 <外観フォルム>
2. 人物 <モデル>
3. 商品特性 <専用部分>
4. コピー位置 <上>
5. コピー字体 <日本語横>
が最も効果的な組み合わせであることが導き出された。
今後は更に分析をすすめ、エリア別や属性別などターゲットに即した最も効果的な分譲マンションの広告表現を提案していく予定である。
【調査結果概要】
○ マンション購入希望者クラスター分析
首都圏在住マンション購入希望者を居住性指向によるクラスター分析を行った結果、以下の4つに分類された。
1) 郊外環境指向層 42% (自然環境が豊かで生活しやすい街に暮らしたいという意識が強い)
2) モダンリビング指向層 30% (現代的かつ個性的な住まいを指向し、住む場所周辺の環境を重視する意識が強い)
3) 戸建代替指向層 17% (価格志向が強く、どちらかといえば戸建派であるが、都心から離れた場所には住みたくないという意識が強い)
4) 都心高層マンション指向層 11% (都心近辺で眺望の良い高層マンションに住みたいという意識が強い)
※ 資料1参照
○ 広告表現コンジョイント分析
購入希望者がマンション広告のどの要素を重視してみているのかを明らかにするため、「建物外観」、「人物」、「商品特性」、「コピー位置」、「コピー字体」の5つの主要要素と、1要素当たり3つ合計15の水準(オブジェクト内容や配置)でコンジョイント分析を行った結果、ほとんどの属性で「商品特性(専用部分)」の寄与率が最も高くなった。様々な表現要素の中でも、購入希望者が無意識のうちに重視して見ているのは「自分達が実際に居住する専用部分」であることが判った。但し、性別では男性、年代別では30代、購入希望エリアでは横浜・川崎、埼玉県、千葉県の郊外エリアで「人物(無名モデル)」が1位となった。これらの層においては、自分達と等身大の人物(家族)が描かれていることで、親近感や安心感がわき、それが広告に対する好感に繋がっているものと考察される。
そして、コンジョイント分析の結果から、マンション広告の表現要素として、「建物外観=外観フォルム」、「商品特性=専用部分」、「人物=無名モデル」、「コピー位置=上」、「コピー字体=日本語横」が最も効果的な組合せであることが導き出された。
※ 資料2参照
※ コンジョイント分析とは
消費者が製品やサービスを評価する際に、どのような組み合わせをベストと感じ、その要因により強く影響されるかを同時比較(トレードオフ)により判断する手法。この同時比較が他の分析方法と大きく異なる点である。
居住性指向によるクラスターポジショニングマップ (※資料1)
(下図はクリックすると拡大表示されます)
コンジョイント分析による広告表現要素の寄与率と効用値 (※資料2)
カテゴリー |
寄与率 | 水準 | 効用値 | 範囲 |
商品特性 | 47.404 | 専用部分 | 1.633 | 2.544 |
共用部分 | -0.179 | |||
眺望写真 | -0.911 | |||
人物 | 27.129 | 無名モデル | 1.347 | 1.940 |
イラスト | 0.027 | |||
有名タレント | -0.593 | |||
建物外観 | 15.631 | 外観フォルム | 0.553 | 1.474 |
航空写真 | 0.078 | |||
全体パース | -0.920 | |||
コピー字体 | 5.838 | 日本語横 | 0.621 | 0.911 |
日本語縦 | 0.270 | |||
英語横 | -0.290 | |||
コピー位置 | 3.997 | 上部 | 0.459 | 0.749 |
下部 | -0.031 | |||
中央 | -0.290 |
【調査実施概要】
○ 調査スペック
■調査対象 首都圏在住の分譲マンション購入希望者(20代~50代の男女)
■調査手法 Webによるアンケート
■サンプル数 回収600サンプル(性別・年代別による均等サンプル)
■調査時期 2003年3月
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株式会社大広 ソリューション開発局 第2アカウントプランニンググループ 江澤
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