研究テーマ ライフコース研究

「新しい生き方、暮らし方が新しい消費性向を生み出す」のセオリーに基いて、大きく変化する消費者像を解読する

内容説明

「ライフコース」(life course)とは、「ライフイベントの選択の結果描かれる人生の軌跡」のことであり、まさに「人生行路」です。この概念は主に社会学的アプローチで用いられており、人生上の出来事=ライフイベントが、いつ、どれくらいの期間、どのような間隔や順序で生起するかを時間軸に沿って分析するものです。(図参照)
本研究では、社会学的アプローチであるライフコースと消費との関係性を見出し、マーケティング分野に応用することを目指しています。これは戦後家族モデルが崩壊したと言われる今、多様化した生活者を「多様なままに捉える」という試みです。
なお、格差社会やワークライフバランス、アラウンドフォーティなどの社会変化により、ライフコースの多様化がみられる女性にフォーカスして研究しています。新たな消費行動をライフコースにより定義することにより、マーケティングの新たなる視点を探っていきます。

図

共同研究者

学習院大学 経済学部経営学科 青木 幸弘 教授

消費者行動論、特に、消費者の購買意思決定プロセスに関する認知科学的な研究をはじめとして、ブランド関連(ロングセラー・ブランド、ブランド体系、ブランド・イメージ等)の研究でも著名です。主な著書には『ブランド構築と広告戦略』(日経広告研究所)、『ライフコース・マーケティング』(日本経済新聞出版社)など、多数あげられます。

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学習院大学 経済学部経営学科 乳井瑞代  非常勤講師

消費者行動論を研究され、近年は青木先生と共にライフコース研究に取り組んでおられます。花王、東急総合研究所、ハイライフ研究所等、豊富なマーケティング経験をベースに現職に就かれています。

株式会社 リサーチ・アンド・ディベロプメント(R&D)

生活者のインサイト探索調査で定評のある調査会社です。

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いままでの研究の変遷

調査

パイロット調査(定性・定量)を経て、06年1月よりパネル調査を実施。首都圏40km圏在住の20~59歳女性個人を対象にした訪問留置調査。有効回収数は第一回調査時点で1,541サンプル。09年11月調査(予定)まで、同一サンプルに5回継続で実施する。

いままでの研究の変遷 図

研究会

「女性のライフコース」をテーマにした異業種共同研究会を学習院大学、R&D社と共催で3期に渡って開催。各期15社程度の企業が参加。

過去の実績

◆「新人類男性シングルレポート」の作成と日経MJでの掲載
2007年4月に大広オリジナルで男性シングルに関する調査を行い、「結婚」「子育て」というライフコースを選択した層と、シングルライフを選択した層を比較した結果を発表しました。調査結果が日経MJに掲載されています。
◆JMRA(日本マーケティング・リサーチ協会)カンファレンスでのベストプレゼンテーション賞受賞
2007年11月に開催のJMRAアニュアル・カンファレンスにおいて、「女性のライフコース変化と消費動向研究プロジェクト」というタイトルで、学習院大学の乳井講師・R&R社の加藤氏がライフコースの考え方及び調査結果を発表し、その結果ベストプレゼンテーション賞(大賞)を受賞。
◆「ライフコース・マーケティング」の出版
2008年6月に日本経済新聞出版社より、「ライフコース・マーケティング」を発刊。
ライフコースと消費の関係性について触れている第6章・第7章の2章について、大広のメンバーが執筆しています。
出版を期に、金融や化粧品などのクライアントから、「ライフコース視点を取り入れた調査を行いたい」という要望をいただいています。
ライフコースマーケティング
【ライフコース・マーケティング 目次】
  • 第1章 ライフコースから読み解く市場の変化・消費の変化
  • 第2章 多様化する現代女性のライフコース?パネル調査から見た主要類型と多様化の実態
  • 第3章 働き方の多様化が消費を変える
  • 第4章 女性ネットワークの変化と消費
  • 第5章 変化する女性のライフイベントと消費
  • 第6章 ライフコース視点での消費者ニーズの理解
  • 第7章 ライフコース・マーケティングの可能性
  • 研究テーマ
  • POP-EYE研究
  • ライフコース研究
  • ブランド意味構造(KUI)研究
  • P*processモデル研究

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