「ブランド」のマーケティング的意味とはいったい何か?
消費者が持っているブランド意味構造が製品購買時にどのように影響を与えるかというモデルの研究を2000年より、大阪市立大学の小林先生(K)、大広 梅本(U)、慶應義塾大学(以前は関西学院大学)の井上先生(I)の3人の共同研究という形で進めてきました。
今までの研究で開発した、実務に活用できるブランド連想の測定手法「ハードラダリング」、G*LAD(グループラダリング)による意味構造分析を基に、ブランドの価値構造を明らかにする最先端研究に着手しています。
具体的には、ブランド・ポートフォリオの効果的な構造を判断する独自の分析方法を開発します。これによって、ブランドマネジメントでの未知の領域であるブランド体系(ブランド・アーキテクト:企業ブランドと商品ブランド併用制、独立ブランド制、メインブランドのサブブランド化制などブランドの体系戦略のこと)におけるROIを明らかにします。

共同研究者

マーケティング・マネジメント、マーケティング・サイエンス、マーケティング・コミュニケーション・マネジメント分野の研究で、海外活動も含めてグローバルに活躍中の新進研究者です。著書には『Webマーケティングの科学』(千倉書房)、『戦略的データマイニング アスクルの事例で学ぶ』(日経BP社)、訳書には『刺さる広告』(ダイヤモンド社)などがあります。
いままでの研究の変遷
- ◆第1次開発
- 「最目的手段連鎖モデル」(消費者は、ある商品の属性や、それがもたらす効用によって購入を決断するのではなく、消費者自身の価値意識や意味的な観点から、購入のための決断がなされるとする考え方)をブランドの連想構造によって確かめるため、質問紙によるラダリング調査法を開発。
- ◆第2次開発
- 開発されたハードラダリングを活用して、ブランドの連想構造マップ表記システムを作成。
- ◆第3次開発
- グループインタビューによるラダリング法を開発し、新しい新製品開発調査の方法を開発。
- ◆第4次開発
- ブランド連想がブランド価値を形成する構造を研究(現在の研究)
過去の実績
- ◆学会での研究発表
- 研究成果を日本とヨーロッパのそれぞれマーケティング最大の学会にて発表。
(ヨーロッパマーケ学会「EMAC」(04年5月第1次開発、07年5月第3次開発)、日本商業学会(03年5月第1次開発、04年5月第2次開発、07年5月第3次開発)