2019.03.18

Special interview 10

一途に向き合う仕事は自分のブランドになる
成田倫史さんにきく。Vol.1

クリエイティブディレクター 成田倫史

日本ではまだ使用率が低い救命装置 AEDの認知をあげ救える命を増やす

さまざまな広告賞を獲得した日本AED財団(以下財団)について、教えてください。

心臓突然死という疾患がありまして、日本では年間約7万人の方が亡くなっています。こういった疾患などによって突然倒れた方を救命するために、2014年にAEDという道具が日本に上陸しました。でも、知らない人に電気ショックを与えたり、心臓マッサージをするということに対して、急に向き合うことにはかなり抵抗があるみたいで。使用率はたった4.5%と、非常に少なかったんです。そこをなんとかしようということで、立ち上がった団体がAED財団です。

倒れてしまった人がいるとき、近くにいる人がAEDを使って救えるかどうかが非常に重要視されています。救急車を呼ぶとだいたい8~9分かかるんですけど、心臓突然死は5分以内に電気ショックを与えたり心臓マッサージをする必要があります。私も講習を受けたりしましたが、目の前で人が倒れたときに、心臓マッサージやAEDで電気ショックをすることは、なかなかハードルが高くて。それができるようになる普及促進活動をしようと、全国のいろんな方がつながった団体が、AED財団という位置付けになります。

財団と大広の関わり、財団と成田さんの関わりを教えてください。

ACジャパンというサウンドロゴを聞いたことがあると思います。十数年前に、日本心臓財団からAEDのポスターをつくってくださいという仕事があり、30案の中から私の企画が採用されました。 “AEDは、話します。”というキャッチフレーズの企画です。心臓財団の人と企画を進めている中で、いろんな大学の先生方へ専門的な分野の話などを聞きに行ったり、話し合ったりする機会が増えて。そのうちに、広告の専門家として私たちの取り組みに関わってもらえないかという話を頂きました。そうしたら今度は、大切な子を亡くされたご遺族の方からご依頼があって。私たちの息子と同じ目に遭わないよう、ぜひ動画をつくってくださいということから、動画をつくってみたり。そういったなかで、徐々に先生たちとの関係が深まっていきました。

これまでの活動の成果を教えてください。

AEDプロジェクトができた当初のAED使用率は3%くらいでした。でも、全国の普及組織がそれぞれ各地で活動した結果、1~2年経って、現在は4.5%まで上がっています。まあ、3%から4.5%っていうのは地味な感じもするんですけど、勇気を出せた人が、それだけ確実に増えているということで。大学や病院の先生、各自治体の人、消防から赤十字、大学生に至るまで、いろんな人と力を合わせ、会合を重ねながら、どうしたら一般の人がAEDを使えるようになるかということを議論しながら、現在に至っています。

Vol.2 に続く >

※所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
facebook
twitter
DAIKO

Loading